バイオ・化学分野の特許の特徴を一言で表せば「1件の価値が非常に高い」ということです。特にこれはバイオ分野では顕著です。機械や半導体分野の製品が多数の要素技術の組み合わせからなるのに対し、バイオ関連技術の権利保護は1件のキー特許によってなされ、このキー特許の権利を元にして様々な事業を展開する傾向にあります。
一方で、バイオ分野での特許出願の審査は厳しく、特に進歩性の判断においては厳密な明細書の記載とデータの充実が求められることから、バイオ・化学分野での研究開発は大きな賭けと言えるでしょう。
しかし適切で強いキー特許を獲得した時のインパクトは強く、事業化に繋がった際には大きな利益が臨まれます。よって、製薬等のバイオ関連分野の研究開発やバイオベンチャーへの投資活動、バイオ分野での起業の成否を占うにはその企業の有する知財の適切な調査・分析が極めて重要なファクターとなるのです。
バイオ・化学分野の特許調査について
適切な権利の保護を図るために、この分野の調査では、正確な技術の理解と検索能力、そして特にバイオ・化学分野の明細書によくある「長い明細書」の要点を押さえ権利の主題をスピーディーに把握するための慣れが必要です。また、クライアントのご要望に沿いつつも調査の結果を受けさらに新たな戦略を積極的に提案できる経験が強みとなります。
参考
- 知財管理 2015 Vol.65 No.11 医薬品産業の知財戦略(1)
- 医薬・バイオ関連発明についての外国特許出願等に関する調査(H.27 AMEDまとめ)
http://www.amed.go.jp/content/files/jp/chizai/H27_report-medbiopatent0822.pdf