キリンホールディングス L-乳酸を高効率で生産する酵母の作製に成功 (2008/07/26)
キリンホールディングス フロンティア技術研究所は、グルコースからバイオマス由来プラスチックの原料となるL-乳酸を高い効率で生産する酵母の作製に成功しました。
バイオマス由来プラスチックの1種であるポリ乳酸は、原料となる乳酸の光学純度高いほど、耐熱性などの点でプラスチックとして優れた性能を持ちますが、一般的な乳酸を産生する乳酸菌を用いた方法では異性体が混じり、乳酸の光学純度が低くなる問題がありました。
そこで、乳酸産生能力をもたない酵母(Saccharomyces cerevisiae)に乳酸脱水素酵素遺伝子(LDH遺伝子)を導入して、グルコースなどの糖から乳酸を生成させる方法が試みられていますが、ピルビン酸脱炭酸酵素の働きを抑えることが難しく、同時にエタノールを産生してしまうため、乳酸の生産効率が低いという問題がありました。
今回、Candida boidiniiを宿主とし、ピルビン酸脱炭酸酵素の遺伝子を破壊してL-LDH遺伝子を導入した酵母を作製することで、グルコースから高い効率で高光学純度のL-乳酸を産生することに成功しました。
今後、バイオマス由来プラスチックの作製に応用されることが期待されます。
JAMSTEC 深海底下生命圏で古細菌の優先的な占有を世界で始めて確認 (2008/07/23)
独立行政法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)はドイツのブレーメン大学との共同研究により、これまで日本をはじめ世界各地で採取された深海底下体積物試料に含まれる脂質分子やDNAを抽出し解析を行いました。
その結果海洋底下には古細菌が優先的に存在することが明らかとなり、これはこれまで考えられてきた海底下体積物生命圏の様相を覆す発見となりました。これまで海底下から得られた試料の分析の結果から、海底下体積物内ではバクテリアの生息数が優先的であると考えられてきましたが、今回研究グループは脂質分析と新たに考案されたDNAの抽出・分析方法を採用することによって古細菌が優先的に生育することを高い精度で初めて突き止めることに成功しました。
今後、今回の知見を基に古細菌やバクテリアの生命活動が環境に与える影響や生命進化に対する影響などの研究が進展することが期待されます。尚、今回の成果は7月20日付けの英国科学雑誌ネイチャー(オンライン版)に掲載されるようです。
理研 シロイヌナズナで新規のノンコーディングRNAを同定 8割がアンチセンスRNA (2008/07/18)
この度、理研植物科学研究センターで7300種余りの新規ノンコーディングRNAがシロイヌナズナ中で発見され、その8割がアンチセンスRNAであったことが明らかにされました。
今回研究チームはシロイヌナズナのストレス応答に関係するRNAを網羅的に解析することを目的に、ストレス条件化・ストレス応答誘導因子のアブシジン酸影響下でのタイリングアレイを用いました。
その結果、7328個のノンコードRNAを発見しそのうちの8割に当たる5990個はアンチセンスRNAであることが明らかにされました。
今回の成果は『Plant and Cell Physiology』(8月号)に掲載され、また、成果は理研のホームページ上で世界中の研究者が自由に利用できるように公開されています。
協和発酵 スイスのロンザ社と医薬品生産技術についての権利許諾契約を締結 (2008/07/15)
協和発酵は、この度ロンザ社が保有する遺伝子発現システムである「GS Gene Expression System」の権利について、協和発酵及び子会社であるバイオワ社が使用できる権利許諾契約を7月15日付けで締結したと発表しました。
なお、今回の締結は先立って行われたバイオワ社とロンザ社の間での戦略的業務提携をさらに推し進めた形で、バイオワ社が保有する抗体作製技術である「POTELLIGENT」の実施の際にロンザ社の「GS Gene Expression System」を使用できるようにするものです。
カゴメ・松生クリニック ラブレ菌乳酸菌飲料による慢性便秘患者の下剤使用量低減効果を確認 (2008/07/14)
現在、下剤を飲まなければ排便できない「下剤依存症」に陥っている人が増えていますが、カゴメ株式会社総合研究所と松生クリニックは、慢性便秘患者にLactobacillus brevis KB290(ラブレ菌)を含む乳酸菌飲料を1日130mLを8週間毎日摂取させたところ、下剤使用回数や下剤使用総量の低減効果が確認されたを発表しました。
今後、慢性便秘患者の薬剤に頼った排便が、ラブレ菌乳酸菌飲料により自然な排便に改善される可能性が期待されます。
なお、この研究内容の詳細は、日本乳酸菌学会2008年度大会で発表されます。
第一三共 貧血治療剤「Venofer®」の米国内での製造販売権をフレゼニウスメディカルケアに供与 (2008/07/14)
第一三共の米国子会社(Luitpold Pharmaceuticals, Inc.)は、注射用鉄製剤の代表的な製品である貧血治療剤「Venofer®」の透析患者向けとしての米国内での独占的製造販売権を、ドイツのFresenius Medical Care AG(フレゼニウス メディカル ケア)に供与したことを発表しました。
なお、非透析治療の慢性腎臓病患者向けの販売は、Luitpold Pharmaceuticals, Inc.が継続して行います。
農業生物資源研 米の大きさを決定する遺伝子発見 (2008/07/08)
農業生物資源研の農林水産先端技術産業振興センター農林水産先端技術研究所、富山県農業研究所はこの度、米の幅の決定に関与する遺伝子qSW5を同定しました。研究の結果、日本の米であるジャポニカ種ではこの遺伝子の機能が失われ、その結果米のサイズが原始種に比べて増大していることが明らかになりました。
また、古い米の品種200以上でこの遺伝子の構造を調べたところ、ジャポニカ種の起源の由来について新たな仮説が立てられました。この仮説は従来の学説である長江起源説を否定し、東南アジア起源説を唱えるものです。
今回の成果はNature geneticsオンライン版に発表されます。
京都大学 iPS細胞に関する知的財産権管理会社を設立 (2008/07/04)
京都大学は、iPS細胞に関する知的財産権の管理・活用を行う事業実施会社「iPSアカデミアジャパン株式会社」を設立したことを発表しました。
iPSアカデミアジャパンは、大学におけるiPS関連の知的財産の管理・活用体制の強化し、iPS 細胞研究の成果の実用化に向けて、産業界への技術移転を目指すものです。
設立当初は京都大が出願している特許を管理することにとどまっていますが、今後、他大学や公的研究機関に働き掛け、日本全体でのパテントプールを作ることを目指しています。
ラクオリア創薬株式会社 7月1日にスタート (2008/07/04)
ファイザーの研究活動の一翼を担っていた旧ファイザー中央研究所ですが、ファイザーの事業整理・統合等によりファイザーから切り離されることが昨年の時点で既に決定されていました。その後、中央研究所はファイザーから独立し知的財産を含む資産・人材等を貸与あるいは引き継ぐ形でスピンオフすることが決定され、この度旧中央研究所はラクオリア創薬株式会社としてのスタートが発表されました。
ラクオリアには日欧のベンチャーキャピタル数社、ファイザー本社が出資しています。大手のグローバル製薬企業の一研究所が独立しベンチャーとして本社の出資を受けながら操業を開始するという、世界的に見ても極めて珍しい形態のスタートとなったようです。
ラクオリアは今後「疼痛」と「消化管疾患」をターゲット領域として研究開発を推進していくと発表されています。
スタート時点での従業員数は70名とのことですが、いずれもファイザーでの研究開発経験を有す人材で占められており、早期の新薬候補開発が期待されています。
明治製菓 MRSA感染症治療薬「ハベカシン®注射液200mg」新発売 (2008/07/03)
明治製菓は、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌感染症治療薬「ハベカシン®注射液200mg」(アルベカシン硫酸塩注射液)を発売しました。
ハベカシン®はアミノグリコシド系抗菌薬の一種で、MRSA感染症に有用性の高い薬剤として使用されています。
この度、PK/PD理論に基づいた投与設計や臨床試験の結果、薬効は最高血中濃度と相関するため1日1回投与が望ましいことから、1日投与量200mgを2回に分ける投与方法から、1日1回200mgを投与する方法に用法・用量を変更するものです。
高砂香料・静岡がんセンター 病臭緩和で共同研究協定を締結 (2008/07/03)
高砂香料と静岡がんセンターは、ガン治療現場での臭いを軽減させるための共同研究を行うことを発表しました。
ガン治療の現場では、特異な臭いが発生することが多く、患者や家族の精神的な負担が大きくなっていました。静岡ガンセンターでは、バラ園を中心としたガーデンホスピタルを整備していましたが、根本的な対策が必要とされていました。
この度、高砂香料と静岡がんセンターの研究協力により、臭いの原因となる物質の解析や同定をおこなうことで、患者や家族の生活の質を向上させ、療養環境を改善すること期待されています。
アンジェスMG 日本でHGFによるリンパ浮腫治療に関する特許が成立 (2008/07/03)
アンジェスMGは、日本において、肝細胞増殖因子(HGF)によるリンパ浮腫治療に関する用途特許(特許4111993号)が成立したことを発表しました。
リンパ浮腫は、毛細血管から漏れ出した組織液をリンパ管を通し血液に回収する際の輸送・回収機能に障害が生じることで生じますが、従来の治療法ではマッサージやサポーターを用いた圧迫療法など対症療法しか存在しませんでした。
HGFを用いた治療は、末梢性血管疾患や虚血性心疾患などの分野で既に開発が進められていますが、今回の発表により、新たな適応拡大が期待されます。
大正製薬 ビオフェルミン製薬と提携を発表 (2008/07/01)
大正製薬が、このほどビオフェルミン製薬との企業提携に関する基本合意書の締結をしたことを発表しました。
今年2月、3月に大正製薬が実施したTOBにより既にビオフェルミンの筆頭株主は大正製薬となっていましたが、今回の企業提携によるさらなるシナジー効果が期待されています。提携により、ビオフェルミンの有する乳酸菌技術やビオフェルミンブランド力、大正製薬の従来有する技術やブランド力を生かした商品開発や製品の充実を両者共同で進めていくようです。