トップページ» ニュース» 2008年05月

慶応大 神経疾患の患者から採取した細胞でiPS細胞を作製する研究を開始 (2008/05/29)

今回、慶応大医学部でアルツハイマー症などの難治性神経疾患の患者から皮膚細胞などを採取し、これを元にiPS細胞を作製し各種研究に供するという研究計画が正式にスタートすることが発表されました。

これまで、神経疾患の疾患原因研究、創薬研究等を行う際、患者自身の神経組織を用いることは原理的に不可能でした。しかし、昨年相次いで発表されたiPS細胞の技術を用いれば皮膚などの容易に入手できる細胞から神経細胞を分化誘導し入手することも可能になります。計画ではこうして得られる患者由来の神経組織などを用いて、26種の神経疾患の研究を行うことが発表されています。

今後の研究成果に期待が高まります。

プレスリリース

理研 「高度高熱菌丸ごと一匹プロジェクト」の成果を発表 (2008/05/27)

今回、理研が進める「高度高熱菌丸ごと一匹プロジェクト」の成果の一部を発表しました。

理研が進める今回のプロジェクトは85℃の温泉で生育可能な高度高熱菌(バクテリア)サーマス・サモフィラスの生育に必要な分子の網羅的な構造・機能解析を行い、一つの細胞内で繰り広げられる生命現象をシステム全体として理解することを目標としています。

今回発表された成果は、理研と企業が共同に開発したタンパク質の結晶化を自動的に行う三種のロボットを用いて推進されたものです。このロボットを使い、グループは20種のタンパク質を2000万通りの結晶化条件を試験し、最適な条件を探索。こうしてできあがったタンパク質結晶を、spring-8で構造解析を行いました。

今回の成果により、サーマス・サーモフィラスの全2200種のタンパク質のうち470種のタンパク質立体構造が決定されたことになりました。

プレスリリース

理研 シロイヌナズナ遺伝子発現地図を完成 公開へ (2008/05/26)

今回、理研の研究グループはAtGen Expressと名づけた植物遺伝子発現データの統合・解析のための国際コンソーシアム参加し、コンソーシアム全体で扱うデータのうち4分の1の作業を完了させました。

2000年に全ゲノム配列が決定されて以降、ポストゲノム研究の進展に伴い、様々な環境変化に対応した発現パターン、成長特異的発現パターン、部位特異的発現パターンなど、さまざまな網羅的シロイヌナズナ遺伝子発現データが蓄積されていました。その後研究者の間で、これらデータを統合しより使いやすい形に加工したデータベースの登場が待ち望まれていました。

国際コンソーシアムに参加する各国研究機関のうち、理研は植物ホルモン応答性遺伝子の発現解析を行い、7つのホルモンや阻害剤に対する2万3000の遺伝子の応答関係を数値化しClusterCuttingデータベースとして公開しました。今後、植物に関係する研究者は実験することなく多くの植物遺伝子の薬剤に対する振る舞いを予測したり、単離した遺伝子の機能や相互作用する物質を推測することが容易にできるようになると期待されます。

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理研 アルツハイマー病発症の原因酵素の立体構造を解明 (2008/05/23)

今回、理化学研究所のグループはアルツハイマー病の発症に深く関係するとされているベータ(β)セクレターゼ(BACE1)の活性型立体構造を決定し、活性調節のメカニズムを明らかにしたことを発表しました。

これまでに、BACE1がアミロイド前駆体を切断しアミロイドβ(Aβ)を生成させ、これが神経組織に蓄積することでアルツハイマー病が発症することが知られていました。よって、この酵素を阻害する薬剤を合成することでアルツハイマー病治療薬の創薬に繋がることが期待されていましたが、今までこの酵素の活性状態の構造は不明のままでした。

今回グループはBACE1の活性状態での結晶化に成功し、大型放射光施設SPring-8を用いた立体構造解析を行いました。解析の結果、周辺環境に応じてアミロイド前駆体がBACE1の活性化ポケットに取り込まれ、切断される様子を詳細に捉えることが可能となったようです。

アルツハイマー病治療薬の開発の糸口が掴めたことで、今後の進展に期待されます。

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グラクソ H5N1型インフルエンザワクチン「Prepandrix」が欧州で承認取得 (2008/05/22)

今回、グラクソ社開発のアジュバント添加済のH5N1型ワクチンである「Prepandrix」がEU27カ国での販売を承認されたことが発表されました。これによってグラクソ社は欧州で初めてプレパンデミックワクチンの製造を許可された最初の製薬メーカーとなりました。

現在世界各地で流行中のH5N1型のインフルエンザウイルスは人-鳥共通の感染能を持つ、鳥インフルエンザとして知られています。

世界の脅威となりうるパンデミックに備えるためには世界規模でプレパンデミックワクチンの備蓄が重要となることは明らかですが、アジアやアフリカなどの途上国では普及の遅れたが懸念されています。そこで、今回発表されたワクチンの5000回分がグラクソ社からWHOに寄贈されたそうです。

今後、グラクソは世界的なパンデミック対策を視野にいれ、各国政府、団体等と連携していくことを発表しています。

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株式会社トランスジェニック 抗AGEs関連抗体を研究用試薬として発売 (2008/05/22)

AGEs(Advanced Glycation End Products、終末糖化産物)は、様々な疾病の発症・進行等に強く関与していることが示唆されている物質で、研究対象として注目されています。

今回、遺伝子破壊マウス関連事業を展開する株式会社トランスジェニックは、独自に開発した遺伝子改変マウスであるGANPマウスに抗原となるAGEsとこの受容体を投与し、新規な抗体を開発に成功しました。開発された新たな抗体製品ラインはコスモ・バイオ(株)、フナコシ(株)、和光純薬工業(株)から発売されることになるそうです。

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産総研 カーボンナノチューブの自由自在な設計を可能にし、3次元のデバイスを実現 (2008/05/15)

産総研究所のチームは、単層カーボンナノチューブを用いた集積3次元デバイスの実現に成功したと発表しました。

研究チームは、平成16年に独自に開発された水分添加CVD法を用いて高純度・超長尺の炭層ナノチューブを垂直方向に集合させたマクロ構造体を作り、このマクロ構造体を束ねて高密度化する技術を開発しナノチューブ固体を作ることには平成18年に既に成功していました。

今回、このようにして作り上げたフィルム状のマクロ構造体である「垂直配向CNTフィルム」を用いてウェエハーを作製し、通常のシリコンウエハーのようにレジストを用いた微細加工を施し任意の形状に加工することに成功しました。

これまで、様々なデバイスの設計が行われてきたカーボンナノチューブの応用分野ですが、任意な形状設計を施すことは不可能であったために実用には程遠いものばかりでした。今回の成果はカーボンナノチューブを用いたデバイス設計の実用化を予感させるもので、応用研究の急激な進展に期待がよせられています。

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農業生物資源研究所 比較植物ゲノムテータベースを公開 (2008/05/12)

農業生物資源研究所は、種を超えた植物のゲノム比較を行うことが可能な比較植物ゲノムテータベース、SALAD (Surveyed conserved motif ALignment diagram and the Associating Dendrogram)を構築し公開することを発表しました。現在データーベースはイネ・シロイヌナズナ・紅藻の84000の遺伝子情報を搭載しています。今後さらに登録遺伝子数を増やし、機能が強化される予定のようです。

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慶応大・ヒューマンメタボロームテクノロジーズ・理研 植物タンパク質のリン酸化部位を大量に同定 (2008/05/08)

今回、研究チームはシロイヌナズナ培養細胞を用いて、細胞破砕液を準備しこれに脱リン酸化酵素阻害剤を添加した後にリン酸化ペプチドの精製・濃縮を行いました。このように取得したリン酸化ペプチドをプロテアーゼ消化し得られた試料を独自に改良を加えたLC-MSシステムを用いて解析しました。解析の結果、1,346種のタンパク質上に位置する2,172のリン酸化部位の同定に成功したと発表されています。各ペプチドごとの特別に高度な精製を行わず、ショットガン法を用いてこれだけハイスループットにリン酸化部位を同定できた点は驚きです。この成果はMolecular Systems Biolog(5月6日)オンライン版に発表されるとともに、慶応大・理研のデータベースで公開され、この分野の研究の加速が期待されます。

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慶応大・JST レトロトランスポゾンの抑制に関わるショウジョウバエのsiRNAを世界で初めて発見 (2008/05/08)

これまで、ショウジョウバエの体内に侵入したウイルスに対する感染防止機構の一つとして、AGOタンパクがトリガーとなるRNA干渉作用が知られていました。このメカニズムは既に詳細に研究され、様々な応用研究に展開されています。

しかしながら、このRNA干渉作用がウイルス感染の際だけにスイッチがオンされるのか、それとも細胞内で通常の状態でもスイッチがオンになることがあるのかという問題については解明が進んでいませんでした。

今回慶応大のグループは独自に作成したAGO2抗体を用いてショウジョウバエ細胞中からAGO2タンパク質を単離・精製しました。精製したAGO2から、これに結合するRNA分子を同定しました。同定した結果、これらRNA分子はレトロトランスポゾンから由来するものであることが判明し、内在性のsiRNAが存在することが明らかとされました。今回の成果はNatureオンライン版(5月7日)に掲載されます。今後、この知見が効率的なRNA干渉作用の実現に応用されることが期待されます。

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タカラバイオ 大阪府立大学と扶桑薬品の技術を製品化 カンピロバクターの簡易検査キット (2008/05/08)

カンピロバクター属菌の検出・同定試薬キットの販売を今月20日から開始することを、タカラバイオが発表しました。
このキットは大阪府立大学大学院と扶桑薬品工業の産学連携により開発された技術を採用しており、この技術の実施許諾をタカラバイオ社が両者から受けることにより製品化が実現しました。

今回採用されている技術は、カンピロバクターの有する細胞膨化致死毒素遺伝子をPCRで増幅して検出・同定するものです。
今後、食中毒対策などの分野で日本のみならず世界各国での展開が期待されています。

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理研 椎間板ヘルニアの新たな原因遺伝子の発見を発表 (2008/05/02)

理研と慶応義塾大学のチームが、腰椎椎間板ヘルニアの原因遺伝子(多型)を発見しました。

研究チームは患者847人、疾患にかかっていない被験者896人を対象に相関解析を行い、その結果、既に椎間板で発現し、異常によって脊椎の変異を来たすと知られていた「トロンボスポンジン(THBS)2」の多型と疾患の関連を発見しました。また、このTHBS2と結合することが知られている「マトリックスメタロプロテアーゼ(MNP)9」の多型も同様に疾患と関係していることが見出されました。

今後、両タンパク質の機能解析が進み疾患予防、治療への応用が図られることが期待されます。

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