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特許情報から眺めるiPS細胞
未来の医療に大きく貢献することが期待される日本発のiPS細胞技術。
今回は簡易調査でiPS細胞関連特許情報を収集し結果を簡単に分析する。

Lexisnexis社のTotalpatentを使用し、ヒットした日米欧の特許、約280件を対象にスクリーニングを実施した。

グラフ1:iPS細胞研究の主要プレイヤー
出願件数別グラフにより、京都大学に続くiPS研究拠点を可視化。
- ハーバード系が出願件数で最も京都大に肉迫している。
- 京都大山中教授とiPS細胞基本技術の確立で競争関係にあったウィスコンシン大、ウィスコンシン大教授がCEOを務めるCellular dynamicsも同様に活発。
- ソーク研、ホワイトヘッド研、スクリプス研を加え出願上位はアメリカ勢が大半。
- シンガポールの科学技術管轄省庁がアメリカ勢に迫る件数を有し、シンガポールが国を挙げてiPS実用化に本腰を入れている。
以上のことが読み取れる。

グラフ2:出願数増加傾向プレイヤー
年別出願件数グラフにより、近年の開発動向を可視化。
- 一昨年から昨年にかけて出願件数が特に伸びたのはソーク研とCellular dynamics inc.
- ソーク研は「脂肪細胞からのiPS細胞の作製」、「p53抑制を介したiPSの作製」などが特徴的。
- 一方、Cellular dynamics inc.は既にiPS由来心筋細胞(iCell)を販売しており、出願では「末梢血からのiPS細胞作製」、「HIV感染必須遺伝子領域変異型のiPS細胞」などに特徴。
であることが読み取れる。

図1:京都大、ハーバード大の共同出願相手
- 出願件数上位の主要プレイヤーのうち、共同出願を有している主なプレイヤーは京都大とハーバード大。
- 京都大学は企業、大学と国内での研究機関とアライアンスを多く結んでいる。
- 対照的に、ハーバード大学は系列病院との共同出願は多くあるものの外部との共同出願は見られない。
このことから国内・外向きの京都大、国内外・内向きのハーバードと言えそうである。

図2:京都大学(CiRA等を含む)と企業との主なアライアンス
国内で報道のあった京都大学とのアライアンス(ライセンス契約、共同研究計画など)を示す。
- 国内のタカラバイオとの提携を皮切りに、欧州・米国とのアライアンスが進展し、実用化に一歩ずつ着実に近付くための努力が垣間見れる。
- 特に、iPierian社、Cellular dynamics 社との提携はiPS基本技術の先後願を争う相手との協力関係でありリスク回避という意味において意義深い。
- 特許出願を通じて外向き外交の姿勢であった京都大学がさらにビジネス面でも外交関係を展開することで研究の加速が期待される。

グラフ3:ES細胞関連出願とiPS細胞関連出願の件数増減比較
それぞれ明細書タイトルを対象に検索。検索結果を出願年(半期毎)で集計した。
- iPS細胞が増加傾向であるのに対してES細胞は減少傾向であった。
- iPSの誕生でES細胞研究が刺激される事はなく、iPS細胞研究にそれまでのES細胞研究リソースが移行したことが推測される。
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