トップページ» ニュース» 2009年04月

生理学研 脳科学者のための滞在型研究拠点、「流動連携研究室」を新設 (2009/04/30)

この度、生理学研究所が、国内外の研究者の交流促進を目指した脳科学研究拠点である「多次元共同脳科学推進センター」内に「流動連携研究室」を新設したことを発表しました。研究室では先端機器、施設を提供し、研究者は3か月~1年程度の滞在を通じ研究を進めることができるようです。ここでは文理横断的な研究交流による脳科学の進展が意図されており、客員教授は生命科学のみならず、社会科学系の研究者も含めた15名程度を募集するようです。

プレスリリース

理化学研究所 ポリグルタミン病発症の新メカニズムを提唱 (2009/04/24)

理化学研究所は、神経変性疾患の一種であるポリグルタミン病の発症の新メカニズムを提唱しました。

これは、ポリグルタミン鎖の異常伸長にはじまる線維構造の形成は、周囲の異種タンパク質へも伝播し、ドミノ倒しのように連鎖して生理機能が低下するというものです。

今後、タンパク質間の線維構造の伝播形成を制御することで、ポリグルタミン病をはじめとする神経疾患の治療に役立つ可能性があると期待されています。

本研究は「The Journal of Neuroscience」オンライン版 4月22日号に掲載されます。

プレスリリース

理化学研究所 FANTOM計画の最新成果として免疫細胞の分化に関わる転写ネットワークを解明 (2009/04/21)

理研オミックス基盤研究領域(OSC)は、FANTOM4プロジェクトの一環として、文部科学省ゲノムネットワークプロジェクトと連携し、白血病由来のヒト免疫細胞が単芽球から単球に分化する過程を支配する分子ネットワークの解明に成功しました。

解析には理研オミックス基盤研究領域が開発した独自の遺伝子解析手法(CAGE法)と次世代シーケンサを組み合わせ、転写因子を解析し、分子ネットワークの解明を果たしました。

FANTOM4では、遺伝子と分子の関係を解くことを目標にしており、今回のような手法で、今後、ますます分子レベルの相互ネットワークが解明されていけば、iPS細胞のような多能性をもった細胞を自在に意図した細胞へと分化させることができるようになり、再生医療への発展につながると期待がかかります。

プレスリリース

江崎グリコ・高輝度光科学研究センター リン酸オリゴ糖カルシウムによる初期う蝕歯の再結晶化を証明 (2009/04/20)

江崎グリコと高輝度光科学研究センターでは、SPring-8のX線マイクロビームを用いることでリン酸オリゴ糖カルシウムによるう蝕歯の再結晶化を捉えることに成功しました。

従来、脱灰・再石灰化現象はTMR法によるミネラル量変化や、SEMやTEMによる形状観察等により評価されてきましたが、結晶の構造量的変化は評価できませんでした。
今回、6μmという極小のX線マイクロビームを用いることで初めて脱灰・再石灰化部位の結晶の質的変化を観察することが可能となったもので、脱灰部ではヒドロキシアパタイト結晶単位で損失していること、リン酸化オリゴ糖カルシウムによる再石灰化部では健全な歯と同じ配向性でヒドロキシアパタイト結晶が回復していることが明らかとなりました。

今後、この研究結果が更なる脱灰・再石灰化メカニズムの解明や、口内ケア用品、素材開発に繋がることが期待されます。

プレスリリース(江崎グリコ)
プレスリリース(高輝度光科学研究センター)

理化学研究所・千葉大学 天然ムチンの立体構造の解析に成功 (2009/04/16)

理化学研究所と千葉大学は共同で、天然ムチンの立体構造の解析に成功したことを発表しました。

糖タンパク質の一種であるムチンは、ペプチド鎖と糖鎖からなる構造が複雑なため構造解析が困難とされてきましたが、クラゲ由来の物質「クニウムチン」を用いたNMR解析を行うことで、クニウムチンの繰り返し基本構造及びOグリコシド結合まわりの局所立体構造が明らかとなりました。

この度確立したNMRを用いた構造解析手法により、より複雑な構造を持つ天然ムチンの解析や、結晶化が困難な糖タンパク質の解析に威力を発揮することが期待されています。

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広島大学 光の三原色及び紫外で発光するシリコンナノ結晶の生成に成功 (2009/04/15)

広島大学の齋藤健一准教授らは独自の生成手法により、光の三原色及び紫外で発光するシリコンナノ結晶の生成に成功しました。

これは、二酸化炭素の超臨界流体の中で半導体シリコンのパルスレーザーアブレーションを行うもので、一つの工程で光の三原色・紫外で発光するナノシリコン結晶を生成することが可能となりました。また、シリコンナノ結晶を急冷することで、発光強度の増加や発光色制御できることが明らかとなりました。

現在、ナノシリコン材料は原料が無尽蔵に存在するため枯渇の心配がないため次世代の発光素子として注目を集めており、照明・ディスプレー・光電子デバイス・バイオマーカー等への応用が期待されています。

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理化学研究所 エストロゲンに記憶改善効果があることを発見 (2009/04/13)

理化学研究所は、女性ホルモンであるエストロゲンに記憶改善効果があることを発見しました。

慢性脳循環障害の原因となるアセチルコリン受容体遺伝子欠損遺伝子を使った実験により、オスのマウスとメスのマウスの脳障害への影響を調べたところ、メスのマウスでは、脳障害への影響がほとんどありませんでした。そこで、女性特有のホルモンであるエストロゲンに着目し研究を続けたところ、エストロゲンに脳血管拡張効果があり、慢性脳循環障害を抑える働きがあることがわかりました。

今後、脳循環障害の予防や発症後の機能改善に役立つ薬への応用が期待されています。

なお、本研究成果は、4月10日のPLoS ONEで発表されました。

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東北大学 アラキドン酸が神経新生促進と神経疾患予防に役立つ可能性を発見 (2009/04/09)

東北大学大学院医学系研究科の大隈典子教授らは、アラキドン酸が神経新生を促進し精神疾患様行動を改善することを、ラットにて発見しました。

精神疾患行動の度合はPPI(プレパルス抑制)と呼ばれる生理学試験で評価する事ができます。この度の研究で、神経新生の低下がPPIと相関を示す事がわかり、その結果、神経新生の低下が精神疾患行動に関連することが示唆されました。さらに、アラキドン酸が神経新生を向上させ、PPIも同様に向上させることがわかりました。
これにより、アラキドン酸の摂取が、PPIの低下を伴う精神疾患の発症予防や治療に役立つことが期待されます。

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北海道大学 最短波長の郡青色蛍光タンパク質を開発 (2009/04/08)

北海道大学電子科学研究所ナノシステム生理学研究分野の永井健治教授らは、既存の蛍光タンパク質の中で最も波長の短い蛍光を発する郡青色蛍光タンパク質Sirius(シリウス)の開発に成功したことを発表しました。

従来、緑よりも長波長の蛍光タンパク質は多く開発されていましたが、一方で、緑よりも短波長の蛍光タンパク質はいまだに希少であり、研究者より開発が望まれていました。
今回、シアンの蛍光を発する蛍光タンパク質変異体の発色団及び周囲のアミノ酸に変異を導入することで、蛍光タンパク質の最短波長発光記録を更新することが達成されました。

また、Siriusは従来の蛍光タンパク質とは異なり、低いpH条件下でも安定した発光が得られる特性を有しているため、これまで困難であった酸性環境下にある細胞内小器官でのタンパク質の動態観察などが可能になります。

なお、本研究成果はNature Methods電子版に4月6日に公開されました。

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理化学研究所・JST クラゲ由来天然素材の研究開発・製造・販売を行うベンチャー企業設立 (2009/04/03)

理化学研究所とJSTは、クラゲ由来のムチンの有用実用化にむけ、株式会社海月研究所を設立しました。

クラゲは時に大量発生をし、漁業や海水の取水を利用する原子力・火力発電プラントへ深刻な被害をもたらすため有害な生物として扱われてきましたが、有効利用ができないかと研究が進められた結果、クラゲ由来の糖タンパク質(クラゲ由来ムチン)が発見され、ウサギを使った実験では変形性関節症の治療効果が確認されました。

クラゲ由来ムチンは、従来のムチンと比較して糖鎖が短く、糖鎖がシリアチンで修飾されている点で新規な特性を有しています。そのため、医薬品や化粧品、食品添加物などの新しい用途への応用が期待されています。

今後、ベンチャー企業を通して製造技術開発や商品開発を行うことで、クラゲ由来成分の有効活用が望まれます。

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産総研 「メタンハイドレート研究センター」を設立 (2009/04/02)

産総研は、メタンハイドレートの商業利用化に向け、メタンハイドレート研究センターを設立しました。

現在、天然ガスは石油や石炭と比較して燃焼時の二酸化炭素の排出が少ないことから需要が増加し、安定に供給することが求められています。そこで油田・ガス田から生産される天然ガス資源のみならず、掘削のみでは自噴しないメタンハイドレート等の資源開発が世界的に注目を集めています。

また、日本周辺海域においても多量のメタンハイドレートの存在が確認されており、生産性や回収率の向上した天然ガス生産技術開発が期待されています。

今後、商用化に向けての技術開発や人材育成により、日本のエネルギー資源開発への貢献を目指します。

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