東北大学 グリア細胞の発生を制御する因子を発見 (2008/04/30)
東北大学大学院 医学系研究科のチームがこの度、マウス脳の研究から、グリア細胞の一種であるアストロサイトの発生を制御する因子、Pax6を発見しました。
チームは、免疫染色、発現解析によりPax6が正常マウス脳のアストロサイトで発現していることを突き止め、さらにPax6ノックアウトマウスを作成しました。
解析の結果、Pax6はアストロサイト前駆細胞の増殖を抑制し分化を促進している可能性が示唆されました。これまで未知の部分の多かったグリア細胞発生のメカニズムの解明の一助になることが期待されています。
タカラバイオ 中国天津医科大学・天津市腫瘍病院にて癌細胞免疫療法の臨床研究の経過を発表 (2008/04/30)
タカラバイオが、1月から行っていた、レトロネクチン®で活性化した癌細胞免疫療法の臨床結果を発表しました。発表ではこの免疫療法により、5人の患者に非常に良好な結果が現れているようです。また、重大な副作用も見出されていないとのことです。
今後、さらに15人の患者に対する投与試験を実施することも併せて発表されています。
今回の研究が行われている天津市腫瘍病院は癌研究で伝統のある病院で、中国の癌研究の拠点のひとつとされています。
レトロネクチン®は、ヒトフィブロネクチンを改良した組み換えタンパクで、タカラバイオが特許を保有しているもので、Tリンパ球の培養を増強する効果が新たに発見され免疫療法に応用されることになりました。
千葉大学 植物が細胞内で作り出す抗がん物質に対する耐性を生み出す機構を解明 (2008/04/29)
千葉大学のチームは、チャボイナモリというアカネ科植物の植物が細胞内で産生する抗癌物質のカンプトテシンと植物自身がこの物質に対して耐性を生み出し獲得する機構について研究を行いました。
ゲノム情報、その他の植物の解析結果等を統合し、その結果この耐性はトポイソメラーゼⅠ遺伝子の変異に由来することが判明しました。この変異は臨床で見つかっているカンプトテシン耐性癌細胞に起きているものと同一のものでした。さらに解析を行ったところ、従来ヒト癌細胞で知られているものとは別の変異も発見されました。
この成果は、癌細胞が今後獲得しうる新たなカンプトテシン耐性の存在と機構を示唆するもので、抗がん剤の開発、治療法の開発等のための臨床現場での重要な情報になるということが期待されています。
米エクソンモービル マラリア撲滅運動を医薬品開発などを通じて支援することを発表 (2008/04/25)
4月25日の第一回ワールド・マラリア・デーに合わせて、米エクソンモービルがアフリカ、欧・米でマラリア撲滅運動を展開すると発表しました。
実際にこれまでにエクソンモービルはテレビ番組上で、マラリア撲滅運動に対して1000万ドルの寄付を発表しているようです。今後、エクソンモービル社は新医薬品の開発、殺虫剤処理を施した蚊帳の配給などを通じてマラリア撲滅に対して貢献していくようです。
アステラス製薬、米国コメンティス社とアルツハイマー治療薬研究についての契約を締結 (2008/04/25)
アステラス製薬は、アルツハイマー型認知症治療薬として期待されているベータセクレターゼ阻害剤に関する全世界での独占的共同研究開発、商業化についての契約を米国コメンティスとの間に
締結したと発表しました。
コメンティス社が研究を進めている「CTS-21166」は、βアミロイドの産生を減少させると期待されている、ベータセクレターゼ阻害剤で、経口で摂取することができます。
今回発表された契約の内容は、アステラス社はコメンティス社に対して約80百万ドルの一時金を支払うとともに新規発行株式を20百万ドル取得し、さらに最大で660百万ドルの開発一時金を支払うというものです。その他、売り上げに対したロイヤリティーも設定されています。
協和発酵 癌治療抗体の共同研究契約をオーストラリアのバイオ医薬企業と締結 (2008/04/24)
協和発酵工業株式会社は、Arana Therapeutics Limited(アラーナ社)と、アラーナ社保有の大腸癌治療用抗体であるART104の共同研究開発契約を締結したことを発表しました。
この契約のもとで、アラーナ社の大腸癌細胞の表面抗原特異的抗体であるART104は、協和発酵が有する強活性抗体作製技術であるPOTELLIGENT®, COMPLEGENT™を用いた薬効の強化を試み、共同で抗体医薬の開発を進めます。締結に際して、協和発酵からは400万米ドルが支払われ、さらに進捗に応じた400万米ドルがマイルストーンがオプションとなります。また、同時に協和発酵は製品のアジア独占開発・販売権を有することになり、売り上げに応じたロイヤリティーがアラーナ社に支払われることになります。
出光興産が、松枯れ病に効果的な微生物殺虫剤を発売 (2008/04/21)
ときに景勝地の松林にも大きな被害をもたらす、松枯れ病ですが、この松枯れ病はマツノマダラカミキリが媒介するマツノザイセンチュウとうい線虫が引き起こす病気です。
マツノザイセンチュウはマツノマダラカミキリに住み着き樹間を移動します。このことからマツノマダラカミキリを駆逐することが松枯れ病の被害拡大を阻止する有効な手段となります。
今回、出光興産はこのマツノマダラカミキリに寄生し死滅させるカビの一種、ボーベリア・バシアーナ菌を配合した微生物殺虫剤「バイオリサ・マダラ」の発売を発表しました。
「バイオリサ・マダラ」は人畜無害、無臭などの特徴を有し、伐倒後の松の木の表面に置くだけで木の中から羽化したマツノマダラカミキリを死滅させます。
J-オイルミルズ 南方系油脂に強みをもつ不二製油と業務提携を発表 (2008/04/18)
J-オイルミルズ 南方系油脂に強みをもつ不二製油と業務提携を発表
南方系油脂(パームなど)に強みを有する不二製油と、大豆油・菜種油などの中性油原料に強いJ-オイルミルズが今回業務提携の契約を締結し、原料の共同調達等を開始すると発表されました。
発表資料では、運搬船の共同利用、物流ネットワークの共同利用による経費削減など、具体的な施策が公表されています。
理研CGMと米国NIHがオーダーメイド医療の実現へむけ、国際薬理遺伝学研究連合を創設 (2008/04/16)
15日米国癌学会の場において、国際薬理遺伝学研究連合(Global Alliance for Pharmacogenomics:GAP)の創設が宣言され署名が行われたことが発表されました。
オーダーメイド医療の早期実現を目指す双方の合意のもと、今回創設するGAPでは薬剤の有効性や副作用に関連する遺伝的要因の解明が進み個別医療の国際的な実現に繋がることが期待されます。
これまでSNPs解析で世界的に大きな貢献を果たしてきた日本の理研ですが、一方の米国NIHは体内における薬剤の作用や個人の薬物動態と遺伝子の相関についての研究を続けており、その研究成果を臨床応用することを目指してきました。今回の合意により、既に5件の共同研究計画がスタートしたようです。
九州大、自然科学研究機構の生理学研究所、「右脳」しかもたないマウスを発見 (2008/04/16)
ダイニンというたんぱく質に変異をもつivマウスとよばれる変異系統マウスを用い、これまでに両研究グループはマウス海馬神経回路中の記憶形成に重要な分子NMDA受容体の分布状態などを解析してきました。
ivマウスはこれまで、生まれたきた個体の50%が内臓器官の逆位を有し、残りの50%が正常個体であることが知られていましたが、今回研究グループは内蔵位置の異常・正常に関わらずivマウスの脳の海馬が「右脳」に存在するタイプの海馬、「右海馬」の特徴を持っていることを発見しました。
このことは、マウスにおいて、内蔵と脳の左右対称性を決めるメカニズムが異なるものであることを意味しています。今後、より詳細な研究により生物の脳とその他の内蔵器官の「左右」がどのように生み出されるのかが明らかになることが期待されます。
アンジェスMG 初めての自社販売品となるムコ多糖症治療薬を発売 (2008/04/14)
アンジェスMGにより、ムコ多糖症VI型治療薬「ナグラザイム点滴静注液5mg」の発売が発表されました。アンジェス社が米国BioMarin Pharmaceutical社から当製品の国内での開発及び販売権を取得し、今回の発売となりました。
ナグラザイムは、ムコ多糖症VI型患者で欠損している酵素を対外から補填する酵素医薬で、これまで行われてきたムコ多糖症VI型患者への骨髄移植療法に変わる新しい安全な治療方法を提供するとして、期待されます。
バイエル薬品のヒトips細胞先行報道について、京大が緊急会見 (2008/04/12)
マウスでips細胞を初めて発見し、特許出願を行ったのは京大の山中教授であることは周知の事実です。
出願は05年12月になされました。さらにヒトips細胞について、山中教授は昨年11月に論文発表し、実際にはヒトips細胞は7月には完成していたとされています。
今回、バイエル薬品の元研究者の発言により明らかにされたのはヒトipsが同社によって昨年7月より以前、一部報道では5月ごろに完成されたということです。さらに、その時に特許出願もなされたのではないかとの声が挙がっています。
この一連の報道をうけ、今回京都大学が緊急会見を行いました。
会見の中で松本副学長らは「「京大はiPS細胞の本質にかかわる特許を既に申請しており、個別の事例に一喜一憂しない」と強調しました。
バイエル社がヒトips細胞に関する特許を出願していた場合、「成熟した細胞を、特定の遺伝子を導入するだけで未分化状態に戻すことができる」という根源的なメカニズムをマウスで発見した山中教授の先行発表をもって、どのようにヒトips特許の審査がなされるのか、今後の世界の医療に大きな影響を及ぼすであろう事だけに注目が集まります。
武田薬品、米国バイオ医薬品会社を買収 (2008/04/10)
米国のバイオ医薬品会社であるMillennium Pharmaceuticals, Inc.の、武田アメリカ・ホールディングスを通じた買収が発表されました。今回の買収は現金による株式公開買い付けによるもので友好的買収です。
ミレニアム社は「Personalized Medicine」の提供を目指し癌領域、炎症領域に強みをもっており武田薬品の今後の基本戦略に合致します。
東海大学、バイオメッドコア、共立製薬、動物向け医薬品開発の研究開発で提携 (2008/04/09)
東海大学工学部生命化学科教授小島直也教授の研究成果の特許「オリゴ糖を表面に有するリポソーム」等の専用実施権を有するバイオメッドコア(小島教授の研究を主な事業とする東海大学発ベンチャー)と動物用医薬メーカーの共立製薬の三者間で、動物向けのウイルス性疾患予防用のワクチン開発に向けた、初期研究推進のために研究が締結されたと発表されました。
「オリゴ糖を表面に有するリポソーム」は、細胞性免疫を誘導する免疫増強機能を有しており、このリポソームを含む治療用ワクチンを投与することで動物体内の感染ウイルス数を減少させる効果が期待されます。
Genentech社、BioInvent社への出資を発表 (2008/04/08)
BioInvent社とGenentech社のパートナーシップが発表されました。BioInvent社は、心臓血管に関連する障害に対して改善効果が期待される抗体医薬であるBI-204を抱えています。今回、Genentech社はBioInvent社に対して1500万ドルの出資を決定し、さらに売り上げに応じてロイヤリティーが支払われることになります。
BI-204は前臨床段階での試験により、アテローム性の血管内プラークの低減に寄与する可能性が見出されており、心筋梗塞などに対しての効果が期待されます。
アステラス製薬、精神疾患発症に関連する新規GPCRを発見 (2008/04/08)
米国国立精神衛生研究所(NIMH)との共同研究により、今回アステラス製薬が脳の大きさや行動に影響を及ぼすばかりか、統合失調症に関与するGPCR(Gタンパク質共役型受容体)としてSREB2を特定したと発表しました。
SREB2は既知のGPCRで、海馬などで高発現していることが知られており、アステラス製薬はNIMHと共同でこのGPCRが精神疾患と関連するとの観点から共同研究を続けてきました。研究成果は現地時間7日付けで米国科学アカデミー紀要誌に掲載されるようです。
キリンファーマ、協和発酵キリンにおける研究開発体制を再編 (2008/04/03)
協和発酵工業との合併により今年10月に発足する協和発酵キリン株式会社の機能強化にむけ、キリンファーマ株式会社が研究開発組織の再編を発表しました。
エーザイ 次世代アルツハイマー病治療剤の臨床試験再開 (2008/04/03)
高用量群での眼球水晶体混濁が認められ、臨床試験が中断していたエーザイの次世代アルツハイマー治療剤「E2012」でしたが、その後水晶体障害の再現性は得られなかったことから、4月2日をもって臨床試験が再度進められることになったと発表されました。
「E2012」はベータ・アミロイド前駆タンパク質に作用するガンマ・セレクターゼを阻害し、アルツハイマー病の原因と考えられるベータ・アミロイドの脳内への蓄積を防止する次世代治療剤として期待されています。
京都大学 貪食作用のキー分子のRab5の活性変化の画像化に初めて成功。 (2008/04/03)
不要細胞や癌細胞がで細胞死が誘導されると、これら死細胞がマクロファージなどによって貪食され,
細胞内の「食胞」に包み込まれてやがて消化されることが知られています。今回、京都大学生命科学研究科のグループはこの食胞の機能を制御するキー分子と考えられているRab5を標識し、貪食の際にこのRab5が活性化、不活性化される過程を画像化することに成功しました。画像化により、貪食によるアクチンの集合、離散を解した食胞の活性化にRab5が関与していることが明らかにされました。
この研究成果は2日付英科学誌「Nature」誌のオンライン版に掲載されるということです。
東北大医学部 フィリピンに新興・再興感染症の研究拠点を設立 (2008/04/01)
平成17年度より開始された文科省の「新興・再興感染症研究拠点形成プログラム」の一環として、東北大学がこのほどフィリピンに研究拠点を設置すると発表されました。
新興感染症とはSARSなどに代表される近年新しく認識された感染症のことで、再興感染症とは近年再び流行の兆しを見せる感染症で結核、マラリアなどが挙げられます。
産総研 創薬支援、生命科学の拠点「バイオメディシナル情報研究センター」を設立 (2008/04/01)
産総研は、これまでに当研究所で得られた様々な構造生物学、バイオインフォマティクス等の情報科学、実験科学の成果を統合し産業基盤に繋がる技術開発を目指すハブ拠点としての機能を強化した「バイオメディシナル情報研究センター」を臨海副都心センターに設立すると発表しました。
当面の研究課題は、
・タンパク質ネットワーク解析
・タンパク質立体構造解析のための基盤技術
・新薬シーズ探索
・機能性RNA
・生命科学DBの高度化
などとなるようです。